押絵羽子板の買い方と取り扱いについて

賢い羽子板の選び方 人形は顔が命ですとよく聞きますが、羽子板もやはり顔が命です。
最近の羽子板の多くは「見立て物」といわれる女物は目のぱっちりとした美人を描いたものです。顔は描く職人によって様々な表情が描きだされます。この辺りが器械で作られたものと一味違うところで、本物の押絵羽子板は無数の顔、雰囲気をもったものが仕上がるので、じっくり顔をのぞいて気の合いそうな羽子板を選びましょう。
羽子板は歌舞伎の歴史と共に発展を遂げてきたという歴史をご存知の皆さんには「役者物」もおすすめです。歌舞伎役者が見えを切ったときの表情や仕草を躍動的に描いたり、実在の役者の顔を似顔絵風に描いた「役者物」は、歌舞伎を見た事のある人もない人も、その躍動感にきっと驚くはずです。好きな場面の羽子板を選ぶのもよし、毎年出される様々な場面をそろえるのも楽しみの一つとなっていますよ。
羽子板を買ったら手締めをしてもらおう さて、羽子板市会場では景気のよい手締めを聞いた事がありませんか?
せっかく高価な押絵羽子板を購入するのですから、縁起物ですし景気良く手締めをしてもらいましょう。しかし、手締めをしてもらうには売り子さんとの駆け引きが欠かせないのですよ。
ますは、気に入った押絵羽子板をじっくり選びましょう。そして、選んだ羽子板の値引き交渉を楽しんでください。
値段が決まったら買いましょう。ここからが大切なところです。
羽子板職人の元では若い衆が修行を行っています。店主はいつも苦労している若い衆たちに羽子板市の時ぐらいは、少しご馳走をしてあげたいものです。
そこで、値切った分またはそれ以上を、ご祝儀として渡しましょう。
これで、間違いなく手締めをしてくれるでしょう。