「男物」と「女物」そして新たな・・・
 
   押絵羽子板には大きく分けて、男物と女物と呼ばれる2種類があります。 男物というのは、「狂言物」ともいわれ、歌舞伎狂言を題材とし、役者が見えを切ったときの表情や仕草を躍動的に描いたものです。衣装の絵柄も豊富で、羽子板の中に忠実に役柄の特徴を表現しています。 女物の中には、歌舞伎舞踊の中から若い女性の舞を表現した「見立て物」といわれるものがあり、「藤娘」「汐汲」「道成寺」「浅妻」「八重垣姫」は、『見立五番物』といって知られ、女児が生まれると、初正月に健やかな成長を願って実家や親戚 から贈られる縁起物として良く用いられています。
  また、この他にも浮世絵風の美人を描いた「浮世絵風」、目の細い日本画風美人を表現した「松園風」があります。 そして、近年春日部であらたに生まれたのが「振袖」です。本来、押絵羽子板というのは羽子板という決められた枠の中で歌舞伎役者などを表現するものでしたが、様々な技術を生かして消費者の意見を取り入、豪華で華やかな羽子板として生まれたのが「振袖」です。現代的な布などを使って現代的で年々豪華になる振袖は、多くの消費者に喜ばれています。
  男物は不景気をはねのける縁起物として、女物は祝い物として飾られています。
 
  裏絵
一般的な羽子板は、「一人立ち」と言われるものです。押絵の人数によっては、「二人立ち」「三人立ち」などがあります。二人立ちには、「連獅子」「曽我兄弟」、三人立ちには「三番叟」「車引の三兄弟」などがありますが、大変数が少なくなってきます。かなり特殊なものとして五人立ちもあります。やっぱり人数が多いほど高価になってきます。 裏絵には、松竹梅や初日の出など、縁起の良いものが描かれます。絵の具が多彩 になったことで、「狂言合わせ」といって表面の押絵と裏面の図柄を対応させることもあります。例えば、藤娘の裏絵に藤、浅妻船の裏面 に桜・川・葦といった感じです。