江戸時代より受け継がれた伝統技法で桐の美しさを存分に引き出し、軽くて丈夫な箪笥を生み出します
 
  桐丸太を用途に合わせ製板し、その後桐の渋を抜く為に、桐板を合わせかえしながら長い間天日と風雨にさらします。昔から自然の力を応用する事で、より良い材質に変えていきます。これが春日部の箪笥造りの原点です。  
 
  長い間、天然乾燥した桐材を桐箪笥の用途に合わせ質や部材の構成、美観、耐久性などを考え、1枚1枚の桐板を見極め選別 しながら、箪笥のかたちを決める作業で、主に工房の親方がおこないます。  
 
  箪笥のガラ(外まわり)部分を組み立てます。木釘を用いて保立、地板、天板を組み合わせ、その後背板を付けてガラの完成です。抽斗は側板、先側、前板にほぞを抜き、組み立てます。そして、ガラと抽斗を鉋で削り寸法を微調整し、すき間無くガラにはめ込みます。木釘は大・中・小の三種を桐材の厚さによって使い分け、抜けにくく錆びず、見た目も美しいので桐箪笥造りに適しています。  
 
  木地を調整してからカルカヤの根を束ねたウズクリで、たんすの表面 をこすることで木目を浮き上がらせます。その上に砥の粉とヤシャブシとの混合液で何回か刷毛塗りをします。自然乾燥した後、木目に沿ってロウを均一にかけて艶を出して仕上げます。  
 
  桐箪笥は金具の形や模様で表情が大きく変わります。熟練の職人の手で慎重に前飾、引手金具などが取付けられ、桐箪笥全体を検品し、春日部桐箪笥は完成します。